ジャックナイフ法によって期待値のバイアスを計算する。
期待値
出力値 f(x) の期待値 V[f(x)] は次式で表される。
E[f(x)]≈f(μx)+21N1dμx2d2fV[x]
期待値 V[f(x)] と出力f(\mu_x)の差分をバイアスという。バイアスは次式で表される。
fbias=21N1dμx2d2fV[x]
バイアス項の計算
ジャックナイフ標本 xijack を関数 f に入力し、さらに μx の周りで2次の項までテイラー展開する。
f(xijack)≈f(μx)+dμxdf(xijack−μx)+21dμx2d2f(xijack−μx)2
これの標本平均を f(xjack) とすると、その期待値は次のように計算される。
E[f(xjack)]≈===⟨f(μx)+dμxdf(xjack−μx)+21dμx2d2f(xjack−μx)2⟩f(μx)+dμxdf0⟨x−μx⟩+21dμx2d2f(1)⟨(xjack−μx)2⟩(1)========⟨(xjack)2−2xjackμx+μx2⟩⟨(xjack)2⟩−2⟨x⟩μx+μx2⟨(xjack)2⟩−2μx2+μx2⟨(2)(xjack)2⟩−μx2(2)=x2+(N−1)21sx2⟨x2+(N−1)21sx2⟩−μx2(3)⟨x2⟩+(N−1)21(4)⟨sx2⟩−μx2(3)=====(4)=⟨N1i=1∑Nxi×N1j=1∑Nxj⟩N21i=j∑⟨xixj⟩+N21i=j∑⟨xi⟩⟨xj⟩N1⟨x2⟩+NN−1⟨x⟩2N1(⟨x2⟩−⟨x⟩2)+⟨x⟩2N1V[x]+μx2NN−1V[x](∵V[x]=N−1NE[sx2])N1V[x]+N(N−1)1V[x]N−11V[x]f(μx)+21N−11dμx2d2fV[x]fbias=21N1dμx2d2fV[x]f(μx)+N−1Nfbias
こうして連立方程式
⎩⎨⎧E[f(x)]E[f(xjack)]≈f(μx)+fbias≈f(μx)+N−1Nfbias
が得られた。第1項を N 倍、第2項を N−1 倍して fbias を消去すれば、次のように推定することができる。
f(μx)≈NE[f(x)]−(N−1)E[f(xjack)]=E[f(x)]−(N−1)(E[f(xjack)−f(x)])
こうして得られた f(μx) の推定量をジャックナイフ推定量 (jackknife estimator) という。